こどものあそび観察日記

こどもの充実した時間とはなんぞや!?

「素敵な」絵本てなんだろう?

今週のお題特別編「素敵な絵本」

今回は、ブログの趣旨とちょっと違うけど、お題が面白かったので、絵本についてちょっと書きたいと思います。

「面白い」絵本なら、これ!
「思い出の」絵本なら、これ!
と、イメージが沸くのですが

「素敵な」って問いかけられると、あれ?なんだろう?
と、立ち止まってしまいました。

「絵がきれい」「装丁がおしゃれ」とも違う気がする。
「好きな」絵本だとありすぎて書ききれない。

絵本の素敵ってなんだろう????

「心に残る」絵本に近いのかな?
でも、「心に残る」=「素敵な絵本」なのかな?

「素敵な絵本」って、映画の大作のようなズシーンと心に残るものとは違う気がします。ふわふわいつまでも余韻が残るものかもしれない。
以前、好きな絵本作家の方が、教訓じみたおしつけがましいのはあんまり好きじゃない。っておっしゃってました。最初は、その意味がわからなかったけれど、いろんな本を読み聞かせてるうちにようやくその意味がわかったような気がします。絵本の本当の醍醐味は、想像をかきたてられたり、感情の揺れを感じられるものなのかもしれません。

そうやって考えてるうちに思い付きました!
これしかない!!

娘が1歳から2歳くらいの時に何回も読んできかせました。

ちょうちょがひらひらととび、いろんな動物にとまります。動物たちは、自分にとまると嬉しくて、つい、うふふふと笑顔になります。娘は大好きで、何回もリピートさせられました。でも、厳選された言葉とテンポのよい言葉がリズミカルで何度でも読めます。呪文のような優しい言葉は、読んでいる自分の気持ちも沈める効果があるような気がします。そして、動物たちのちょっと嬉しい感情の揺れが読んでいる自分と聞いている子供にまで伝染します。

この絵本は、娘の入院中に出会いました。数ヶ月にわたる長期治療でも先が見えないとき、たまたま病棟でみつけました。カーテンが閉められた狭いベッドが我が家のプライベートスペース。たくさんの点滴に囲まれて先が見えず不安にかられた日々を送っていたとき、うふふ、えへへへ、あははは、、、、と声に出すことで、目の前のよどんだ空気が変わった気がしました。
毎日の辛い治療で泣いてばかりだった娘も一緒にうふふふと笑顔になったのが忘れられません。

1歳の我が子を突然襲った難しい病気。涙ばかりでため息もでないそんな時に、この本のおかげで大きく呼吸をするように声を出せました。
ストーリーが感動的でもありませんし、面白いキャラクターが登場するわけでもありません。けれど、まどみちおさんの言葉のもつ温かさと、それを引き立てるにしまきかやこさんのかわいらしい絵のおかげで、私たち親子は一瞬救われたようなきがしました。

だらだら自分の経験を書いてきましたが、ようやく自分の考えをまとめられたような気がします。
絵本は、そのときの家族や親しい人との思い出を共有するこで「素敵な絵本」になるのかもしれません。だから、私にとって素敵でも他の人にとっては違うかもしれません。

そう思うと、今回のお題で書かれた皆さんのブログ読みたくなりました。雑誌で取り上げられる紹介文より、みなさんが書く「素敵な絵本」の紹介の方が、「素敵な」ストーリーがたくさん詰まっているような気がしました。