▲ この記事を書いたときに、こんなコメントをいただきました。
5歳でも少しずつ何かやっていけば、手先は器用になりますか??
娘の手が器用かどうかは分かりません。それに、私がこのテーマについて書くにふさわしい人物かどうか不安です。子育て経験は5年。。。絵や工作を教え続け、教え子の数は10年で1000人を超えていました(イベントではなく1年以上定期的に教えているお子さんです)。でも、30年以上教え続けている先輩からみたら未熟者です。この分野に関しては幼児教育や特別支援教育、作業療法を学んだ方の方が詳しいでしょう。なので、自分がこのコメントに対して答えてよいものか、、、、。としばらく躊躇していました。でも、仕事をしていた時も子どもたちの手の動きについていろいろ考えていましたし、娘が生まれたからも手の発達については興味の対象だったので、このコメントに真剣に答えてみたくなり、だらだら書いてみました。
手を器用にさせるために大切なこと
結論をいうと、やっぱりこれしかないような気がします。
手を動かすことを楽しいと思う体験を積み重ねること
好きこそものの上手なれ
とあるように、好きになればおのずと上達していくものです。
けれど、子育てをしてみて思いました。
そんなことはわかってるよ、わかりきっていますけど、
手を動かすことが楽しいと思う体験ってなんじゃ??
継続させるのって面倒くさいしむずかしいっ。。。
というところが本音ではないでしょうか。
仕事をしているときは、楽しいと感じてもらうために入念に用意し、今日はこの技術を習得させる!今日はこの表現方法をやらせる!と、目的をもって活動させていました。約1時間の活動のためにその何倍も時間をかけ全力で準備をしていました。
でも、家庭で一人でやるとなると、、、これが、意外にめんどうくさい。
考える時間が足りない、場所が狭い、材料が少ない、用具が足りない
アトリエがどれだけ恵まれている環境だったのかと改めて気づかされます。
手を器用にさせるには継続が何より大切だと思います。継続するには無理のない方法が一番効果的です。そこで、
家庭で、無理なく手を動かすことを楽しめるために、
私が子どもにしてあげられたことは何だったんだろう?
という視点でまとめてみました。
手を器用にさせるために意識したこと
本当はたくさんあるあのですが、意識して生活の中でやらせようと思ったこは、大きくわけて3つあります。
その1 自分でできることは自分でやらせる
その2 家事全般を一緒にやる
その3 親子で工作が紹介されているメディアにふれる
すいません。当たり前のことなので記事にするほどでもないのですが、、、どういう意識をもっていたかということをもう少し詳しく記録していきます。
♦その1 自分でできることは自分でやらせる
育児書などに書いてある通りです。でも、自分でできるようになるまでに時間がかかりますよね。「手は出さず見守る」ことは意識しましたが、せっかちな私はイライラもしますし、手も出まくりです。スローガンが黒板にずっと張られてボロボロになっているようなものです。でも、意識することはしないより効果的だったと信じています。それに、自分でできるようになるとやっぱり嬉しい。そんなスモールステップの積み重ねが楽しさと自信につながったような気がしました。
♦その2 親子で家事全般を一緒にやる
家事は、いろんな手の動かし方を体験できるチャンスですよね。そこで、「やることがなくて暇なときには一緒に家事をやる!」と意識するのは良かったと思っています。「お手伝いをしよう」という感じじゃなくて、「新しいことをやってみよう」というような意識で声をかけました。また、「○○の仕事は、娘ちゃんの仕事ね」というやり方は、娘、私の性格には合わなくてできませんでした。そんな風にできれば理想ですが、そもそもズボラな私には無理でした。それより、暇だから「○○やってみようか」という声のかけ方のほうがお互いストレスを感じずできました。
例えば、お米とぎ。お米と水が混ざる感触って夏にやると気持ち良いんですよね。すると、楽しい~またやってみたいという連鎖につながりました(当時2歳)。家事全般には、手を動かすことが楽しくなる体験がたくさんあると思います。お子さんが楽しくできて、大人も見守るのにストレスが少ない家事を探すイメージで、一緒にいろいろやるのもいいかもしれません。
また、私が面倒に感じるときやイライラしているときはやらない。イライラしているときはあたたかく見守れないないので一緒にやるのはあきらめました。
娘と一緒にやった家事で楽しかったものについては後日まとめたいと思います。
参考)家事を一緒にやろうと思うきっかけになったのは、この本です。
モンテッソーリの幼児教育 ママ,ひとりでするのを手伝ってね!
- 作者: 相良敦子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1985/06/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 8人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
♦その3 親子で工作が紹介されているメディアにふれる
育児の中でもこだわりポイントなので、自分でいろいろ考えてやらせたこともたくさんあります。でも、上記したように継続させることは大変です。そこで、工作本、工作ブログ、instagram、Eテレ、などなどを活用して、親も子も工作へのモチベーションを高めていました。
素材の魅力から子どものやる気を引っ張りだすこともできます。見本があればさらにやる気を引っ張り出せます。でも、子育てをしながら見本を、、、、というのは面倒だったりします。そんな時、いろんな写真や動画などのメディアを活用するととても楽です。特に、Eテレの「ノージーのひらめき工房」には大変お世話になっています。
お世話になったメディアについは改めてまとめ記事を書きたいと思います。
♦その他 手を器用にさせるためのおもちゃ
本当は、おもちゃとの関係性も項目立てできればよかったのですが、記事にできるほどいろんな種類のおもちゃで遊ばせていません。単純に、お金と部屋のスペースの問題です。遊ばせたいおもちゃはたくさんあるのですが、指をくわえて見ていることが多かったです。残念。
手を動かすことを嫌いにさせないために、子どもにどう寄り添うか
上記の内容は、子育て全般を通して意識してきたことでした。それに対して、ここから書く内容は、子どもに寄り添うときに気を付けたことです。特に、ボタンかけのように「できるようになる」という目的があるときは楽しいどころか嫌いにさせてしまうこともあります。飛行機が離陸する前に長い助走があるように、子どもが一人で「できるように」なるまでには親が寄り添う必要がありますよね。そんな、寄り添うときに気を付けたことについてまとめてみました。
お子さんや親御さんの性格によっても全然違うと思います。よく聞くような話ですが、文章にすることで改めて自分も襟を正したいと思います。
- 深追いしない
- できなかったらすぐにハードルを下げる
- 繰り返す
- 認める
ビーズにひもを通すときの娘の様子を例に説明します。
1.深追いしない
初めてビーズにひもを通すときなど、娘は「キーっ!!」となって怒っていました。そうなっちゃったらもう「いやーーー大っ嫌い」になるのが常だったので、すぐに身をひいていました。数日たつと、その「大っ嫌い」な思いは忘れていたりするのでケロッともう一回再チャレンジしてました。そして、また「キーっ」となったりするんですが、、、深追いしてないと心の傷も浅いせいか、リトライできたこと多かったです。逆に、親も意地になってできるまで頑張ってみよう!!!ってスパルタ式にやらせようとすると、再挑戦できずに固まっていました。(でも、これは本当にその子によって全然違うと思います。逆にできるまで頑張るほうが達成感が得られて嬉しい場合もあるかもしれません。でも、娘はそういう子ではありませんでした)
2.できなかったらすぐにハードルを下げる
ひもを通すためのビーズの穴が小さいより大きい穴のほうが通しやすいですよね。それと同じように、いろんな場面で、「うまくいかない!!」と思ったら、即ハードルを下げて達成感が得られるように意識していました。うまくいかないときは、一つの活動を因数分解し、娘のストレスが軽減できるよう一つ一つ下げられるハードルをさげていくのです。
3.繰り返す
定期的に刺激をするのは大切な気がしました。忘れた頃に、「やってみようよ」って声をかけるくらいのゆったりした気持ちで見守るのが結果的に良かったです。
4.認める
褒める技術については、いろんな育児書に載っているとおりです。
でも、褒め方のバリエーションを広げるにはどうすれいいか?仕事をしているときにいろんなタイプのお子さんを見ているうちにこんな風に思うようになりました。
褒めることは新しい価値に気づかせてあげることでもある
この場合だと、子どもは、紐が穴に通った!という事実しか気づいていませんが、「ビーズの持ち方が上手だからできたね。」と、子どもが気づいていない価値に気づかせることを意識すると褒める言葉のバリエーションが広がるような気がします。
以上4つ、書いてみたものの、、、、
娘は、苦手意識が根付いてしまったものはかたくなに嫌いのままです。そんな時は、他のお友達からの刺激や、イベントなどに参加したりして気分をかえてみました。それでも、あまりの拒絶で親が冷や汗たらりの苦手っぷりのものもたくさんありますが、今は楽しくできるものに目を向けつつ、定期的に声をかけ続けています。
全部うまくいくことなんてありません。いろいろやらせて楽しいと思うものが増えていければ、ま、いっか。と思うようにしています。
おわりに
長くなったので、いったんここまでにします。
これをやったら、「手は器用になる」という答えを期待していた方ごめんなさい。でも、手先の器用さは一朝一夕で身につくものではありません。今回は、楽しく継続するために、どんな意識をもっていたか。というようなことを書きました。
次回、具体的に何をやってきたか、というような内容にしたいと思います。
スポンサーリンク
参考
「できる」ということに関連した記事です。
逆上がりの話ですが何にでも置き換えれます。
達成感が、それを好きにさせるとは限らないんですね。
子どもの頃、同じように思ったことがありました。大人になると忘れてしまうものですね。今回のだらだら長いエントリーを最後までお読みになってくださった方にとってはとても興味深い記事だと思います。