こどものあそび観察日記

こどもの充実した時間とはなんぞや!?

「習い事をやめたい」子どもの本心をどう引き出すか~親の葛藤

子どもは習い事をやめたい、でも親は続けさせたい。よく聞く話ですよね。うちにもその悩みがやってきました。

先日、「もうやめたい」と娘が言い始めたのです。ヤマハのことです。

ヤマハが楽しくないという兆候はありました。  

hipopocroco.hatenadiary.com

でも、毎日練習をしていたこともあり少しずつ上達し、両手でも弾けるようになりました。レッスンに行けばそれなりに満足しているかと思っていたのですが、ある日突然「もうやめたい」と半べそをかきながら言うようになりました。

楽しく遊んでいる様子が面白くて記録していこうと始めたこのブログですが、今回は、楽しく過ごせない子どもの様子について書いてみたいと思います。

娘の状況

ヤマハを習うきっかけ

そもそも、ヤマハに通わせようとしたきっかけは幼稚園に入園する前に集団に慣れさせるためでした。その目的は果たしたのでやめても良かったのですが、思いのほか楽しくて、娘も「もっとやりたい」と言ったので継続することにしました。習い事はピアノだけです。3年近くお世話になっています。

■練習状況&レベル

イヤイヤながらもほぼ毎日練習しています。ただ、体が弱くレッスンを休まざるを得ない日はかなり多いです。でも、手に負えないほど遅れているわけではありません。特別上手に弾けているわけではありませんが、レッスンについていけています。

■先生の意見

娘が今練習している「プライマリー3」は急に難しくなるレベルだと言っていました。「これさえ乗り越えれば一気に弾けるようになる」と励まされました。確かに、他のお子さんも苦労しています。

■夫の意見

「お母さんは思い入れが強すぎ。俺もピアノみたいな地味な練習は小さい頃大っ嫌いだった。」お父さん譲りの性格もあるのかもしれません。

母の想い

最初に沸き上がった私の想いとしては、

  • 今を乗り越えれば楽しくなるんじゃないかな? 
  • ピアノは反復練習だから最初はつまらないものなんじゃないかな?
  • 体力がない娘に音楽の習いごとはあってるんじゃないかな?
  • 習い事はできるだけ続けてほしいな~

こんな感じです。

私自身もピアノを幼少期から中学生まで習っていて、鍵盤を弾いて遊ぶことで精神的にずいぶん助けられた経験があります。なので、娘にも生涯を通した”楽しい遊び”を見つけてほしいという願いからピアノもいいなと思っていたのです。

娘の想いをどう引き出すか?言葉かけに気を付けてみた

まだ6歳なので自分の気持ちを言葉にするのはとても難しいようでした。すぐに決断をする必要性はなかったので、今回はゆっくり子どもの気持ちを引き出す努力してみました。 

まず、娘に「どうして?」と聞くのはやめました。理由を自分の言葉で説明するのは娘にとって高度なことのように感じたからです。そのかわり、「ヤマハに行くのが嫌なの?」と一番最初に聞いてみました。すると、「ヤマハに行くの嫌だ」という返事。即答でした。「練習は?」と聞くと、しばらく時間をおいて、「練習も嫌だ」という答えでした。続いて「疲れるから嫌だ」という理由もそういえば言っていました。確かに体力のない娘には習い事が負担なのかもしれません。その後、「そうか~ヤマハに行くのも、練習も嫌なんだ~。どうしたらいいかな~。」と娘の言葉をくりかえすとともに、あえて結論を出さず、あやふやにしてその場の会話を終わらせました。

 

でも、毎日練習をするのです。その娘の様子に期待を込めながらヤマハについて触れないように過ごしていると、また、「やっぱり、ヤマハをやめたい」と娘から言い出しました。前触れもなく「やめたい」と私に訴えるところをみると娘なりの強い意思が感じられます。そして、興味深い発言をしました。

ヤマハの部屋に入ると暗い気持ちになるの

それを聞いて、はっとさせられました。娘が通っているヤマハは幼児科コースといって集団でレッスンを受けています。以前はその中でも楽しく過ごせていたのですが、最近、仲の良かった友達がやめていました。思い返せば、娘がレッスンに行っても同じ教室内の子とは全くお話をしていませんでした。みんな幼稚園も違いますが、楽しそうに会話をしています。けれど、引っ込み思案な娘はそこに入っていけていませんでした。そんな集団の中で弾くということが大きなストレスになっているのかもしれません。私も子供の頃一人だったら弾けたのに誰かがそばにいるだけで緊張して弾けない子でした。この時も、娘の言葉をくりかえして、「どうしようか~」で、あやふやにして終わらせました。

 

その後も、「どうしようか~。(娘)ちゃんはやめたいんだね。お母さんは続けてほしいんだけどな。どうしたらいいかな。」と優柔不断な様子をみせつつ決断を先延ばしにしながら娘の様子をもうちょっと見守ることにしました。するとこんなことを言い出しました。

ヤマハはお母さんがこわくなるから嫌だ

と言いました。ひえ~。そう思ってたんだ。以前大反省して改善したはずなのに、娘には私が「こわい」とうつっていたようです。もしかして、ヤマハを嫌いにさせたのは私のせいだったのかもしれません。

親の葛藤

決断を先延ばしにすることで、娘の本心が少しずつ見えてきました。でも、せめて、発表会が終わる今年度いっぱいは続けてもらいところです。 

「無理やり習い事をやらせなくてもいいんじゃない?」という記事をよく見ますが、私は、「やめたい」と言ったら「はい どうぞ」とはどうしても思えません。娘のようにまだ小さい場合、自分の気持ちを言葉にできるほど言語能力は高くありません。だから、「やめたい」という発言の中に、どんな気持ちが含まれているのかを知りたいと思います。先生が嫌なのか、友達が嫌なのか、習い事の時間を友達と遊ぶことに費やしたいだけなのか、、、。もしかしたら、やめたいと思う原因を取り除いたら続けられるのかもしれません。

今回はヤマハに通いだして3年近く経過していますし、嫌だと言いながら毎日練習をしているので判断に迷います。これで、習い始めたばかりだったり、練習もボイコットするようだったら、すぐにやめさせようと思いますが、嫌だと言いながらどんどん上手になっていく娘を見ていると、「やめたい」という気持ちを超えたらものすごく楽しい世界が待っているかもしれないという期待をもってしまいます。

だからこそ決断を先延ばしにし、ゆっくり娘の気持ちを引き出した上で、今後どうするのか考えてみるのもいいかなと思うようになりました。あともう少し、あえてこのまま中途半端な状態を続けて様子を見てみようと思いました。

おわりに

子どもにもよると思いますし、状況にもよると思いますが、娘の「やめたい」という気持ちを否定も肯定もしていない「どうしようか~?」という”良い加減”な発問は、解決を急がずじっくり考える時間をもつことができて結果的に娘の本音を引き出すことに成功しているように思います。

 

毎日練習をしているということは、娘も葛藤しているのかもしれません。ヤマハはやめちゃうかもしれませんが、習ってよかったなと思います。鍵盤が上手になるというだけでなく、今まで気づかなかった娘の性格や自分の感情の揺れに触れることができて、親子ともにほんとに良い経験になりました。

  

楽しく遊べればそれでよし!と思って子育てをしてきましたが、年齢が上がるにつれ悩みも増えてきました。厳しさも必要じゃないかとも思うし、子どもに迎合するのも嫌だなとも思う、でも、自己肯定感を高めるのも必要。うーーん、日々、迷いっぱなしです。

 

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おまけ~ピアノに関連して

偶然この動画に出会いました。

去年大ヒットしたThe ChainsmokersのCLOSERのピアノカバーなんですが、お好きな方はぜひお聞きください。(CLOSERは、去年何回聞いたか分からないくらい聞きまくった大好きな曲です。なので余計このピアノアレンジがたまりません。)

www.youtube.com

原曲▶The Chainsmokers - Closer (Lyric) ft. Halsey - YouTube

原曲を知らない方はぜひ聞き比べてみてください。

何がすごいって、この方は12歳から本格的なピアノレッスンをスタートしたということです。ピアノは早くからはじめなくちゃいけないという固定観念を壊してくれました。ちなみに、このピアノアレンジはHPのこちらで楽譜が購入できます。Sheet Music | Costantino Carrara

 

もっと聞きたい方はこちらもおススメです。

www.youtube.com

原曲▶The Chainsmokers & Coldplay - Something Just Like This (Lyric) - YouTube

原曲は、ColdplayThe Chainsmokersという超しびれるコラボで作られた大好きな曲です。その曲を、ピアノの低音を生かしたアレンジにかえているなんて天才的です。こんな風に音楽を楽しめるって憧れます。