あんな椅子いいな。こんな椅子もいいな。
と、楽しくいろんな椅子を見比べている時に、ふと自分の学習机の思い出がよみがえってきました。
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私が小学校1年生を迎える冬、両親に学習机セットを買ってもらいました。裕福ではありませんでしたが、田舎でしたので今の家よりずっと広いスペースがあるせいか、立派な学習机を買ってもらいました。
それが、嬉しくて嬉しくて何度も電気スタンドを付けたり消したり、机の大きな下敷きの絵を何回も入れ替えたりしていました。
学校に慣れてきた頃には、引出しには自分の宝物を入れ、両親に見つからないようにいろんな工夫をして隠したつもりになっていました。で、肝心なその宝物がなんだったのかは思いだせないのですが、自分だけの秘密が生まれたワクワク感だけは覚えています。
中学校に入るころには、机の大きな下敷きが子どもっぽくて捨ててしまいました。本格的に勉強し始めたのもこの頃。家に帰ってから一番長く過ごす場所がこの机でした。入学の時に買ってもらった椅子も壊れ、大人っぽいものに買い替えたような気がします。
高校生になった時、突然勉強が嫌になりました。中学校までは勉強が楽しいと思えたのに、いろんな悩みがたくさん溢れてきて勉強が手につかなくなりました。机に向かっていれば親は勉強していると思って安心するので、気持ちのモヤモヤを整理するのに絵を描いたり日記を書いたりして過ごしていました。
そして、
19歳を迎える前に、なんだかんだで私は実家を出ることになります。
大学を出て、就職して、結婚して、実家に戻ることはありませんでした。
学習机にお世話になったのは、12年間でした。
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娘は何歳まで家にいるんだろう。
何歳まで勉強をするんだろう。
娘が高校を卒業するまでと思うと、とてもながーく感じますが、
12年間と思うと、ともて短くも感じます。
もう建てかわってしまった実家での思い出の一つとして私の学習机の存在は小さなものではありません。勉強をするための机という役割を超えて私の秘密基地・避難場所でもありました。
自分の過去を振り返って、娘のために机と椅子を用意してあげたいという気持ちはさらに強くなり、12年間で好みも大きく変わることも改めて感じました。長く使ってほしいという親の重い気持ちは子どもにとっては邪魔なだけなのかもしれません。
迷いまくる私とは対照的に、娘は「なんでもいい」とのこと。
娘の方が新たな環境に軽々と溶け込み、思い入れが強い親の気持ちこそが足かせになるのかもしれません。
そんなことをぼんやり考えていたらようやく決めることができました。
次回、購入した椅子についていろいろ書いてみたいと思います。