こどものあそび観察日記

こどもの充実した時間とはなんぞや!?

【デザインあ展inTOKYOレビュー】”体感の部屋”で感じたこと

デザインあ』とは、子どもたちのデザインマインドをはぐくむNHKの番組です。とはいっても、子どもに媚びることなくデザインの面白さやすばらしさを伝える番組です。2011年からスタートし、今年で7年目に突入です。奇しくも、娘が生まれた年にスタートした番組で、どっぷりつかって見てきました。

そんな展覧会なので、面白くないわけがない。

これから、何回かに分けてデザインあ展について書いてみたいと思います。

www.design-ah-exhibition.jp

 

今日は、『体感のへや』The Immersion Room

番組オリジナルソングや音楽とぴったりシンクロする映像が、展示室四方の壁面いっぱいに映し出されます。360°を取り囲む映像と音とでデザインを体感してください。

デザインあ展inTOKYO パンフレットより)

こちらについて、だらだら書いてみたいと思います。

娘の様子(7歳)

娘にとって、この展示がハイライトでした。もう一回見たい、もう一回見たいと、結局3回通しで見続けました。家に帰ってからも、体感のへやが一番面白かった。とつぶやいていました。それくらい、娘にとってはインパクトのある体験だったようです。

なぜ、子どもをひきつける作品か

進歩を遂げる映像表現

今まで、いろんなデジタルアートと呼ばれる作品の展覧会に行ってきました。そこで、様々なプロジェクターの性能の高さを実感しまくってきましたが、この作品は映像がものすごくクリアなのが印象的でした。年々映像技術が進歩している証拠なんでしょうか。しかも、4面のつなぎ目が全然分かりません。数年前だと、数台のプロジェクターが並んだらどうしても、つなぎ目の段差のようなものに目がいってしまことがありました。けれど、この作品は全くありません。映像世界の中に引き込まれます。動画で見ても、この迫力は絶対分かりません。会場の中央で作品を鑑賞するべき作品です。

迫力のある音

うちのテレビがしょぼいせいもありますが、低音が響いで床から体に振動が伝わる感覚って普段の生活ではなかなかできません。会場では、聞きなれた「デザインあ」のテーマ曲が全然違う作品に感じます。音って、耳からだけでなく振動を感じるんだって久しぶりに思いました。娘にとっては、それが初体験に近いので余計楽しかったんだと思います。

どんな作品か

  • 「あ」のテーマ
  • 解散!
  • 森羅万象
  • ガマンぎりぎりライン

この4つが体感できます。

「あ」のテーマ

動画は、富山で開催されたときに撮られたものをご紹介します。*1

www.youtube.com

 

この作品は圧巻です。最後、画面全部に「あ」の文字が浮かんだかと思うと、それが全部飛ばされます。まるで自分も一緒に飛ばされそうな錯覚に陥ります。2013年の展覧会でも、この曲は使われていましたが、全然違います。

音楽:小山田圭吾コーネリアス)歌:Chocolat

映像:中村勇吾

解散!

こちらの動画も、富山で開催されたときに撮られたものをご紹介します。

www.youtube.com

 

展示に向けて作られたオリジナルの”解散”です。画面が360°であることを最大限生かされた構成になってて面白いです。中身が順番に飛び出しちゃう映像なんて、少しプッと笑えて来ます。なんの変哲もない身の回りのものにちょっと愛着がもてるような気がしてきました。そして、この映像が終わった後、見終わった方々が立ち去るところではリアルな解散も感じられます。

▼こちらで製作秘話が読めます。お察しの通り「こま撮り」という方法で作られていますが、気が遠くなるような作業。感服です。

あの解散 | 岡崎智弘 | デザインあ ブログ:NHK

音楽:小山田圭吾コーネリアス

映像:岡崎智弘

森羅万象

会場で流されているものとは違いますが、ご紹介します。

www.youtube.com

テレビで見ている時から、娘はこれが大好き。丸だけで絵が描けることが不思議なんでしょうか。出だしの曲を聴いただけで大興奮でした。特に、この曲は低音がカッコイイので、体に響く感じも心地良かったのかもしれません。

もともと、この森羅万象は、「デザインあ」のワンコーナー、「もん」から出来上がった曲です。会場でも、もんの作成コーナーがあるので余計身近に感じます。

f:id:hipopocroco:20180805135637j:plain

▼こちらに、いろいろな「もん」の作り方が紹介されています。また、

もん - デザインあ

▼もんの制作秘話がこちらから読むことができます。

祝! もんスペシャル放送に寄せて | 荒木俊雅 | デザインあ ブログ:NHK

▼もんを制作している波戸場承龍さんのインタビュー記事です。

ルパン一味の家紋も制作!? 家紋の歴史を絶やさない…紋章上絵師・波戸場承龍さんインタビュー | 東京都 - アート 歴史・文化 - Japaaan

コレド室町の紋章も波戸場さんの作品だったんですね。知らなかった。

 

映像: 高野光太郎

音楽:小山田圭吾コーネリアス) 歌: 大野由美子

もん制作: 波戸場承龍

ガマンぎりぎりライン

柴田太平さんのHPの動画からご紹介します。

会場では、上の動画が正面に、背面と側面は混声合唱団の整列している様子が映像で映し出されています。つまり、コンサート会場に居ながらにして、ガマンぎりぎりラインの映像を見ている図になります。

指揮者が礼をするところからはじまり礼で終わる。数分間の静かなエンターテイメントをクスッと笑いながら見るのが楽しいです。

娘の「これ、人が歌ってたんだ~!!」という発言には驚かされましたが。歌は、言葉をのせるものと思っている娘にとって新鮮だったようです。

▼こちらで制作秘話が見られます。

ぎりぎり | 柴田大平 | デザインあ ブログ:NHK

▼作曲された福島康晴さんの所属する合唱団です。バロック時代の宗教曲を中心に演奏されています。ガマンぎりぎりラインとバロック音楽って全然結びつかなかった。すごい組み合わせだったんですね。

エクス・ノーヴォ室内合唱団

映像:柴田太平

合唱制作: 福島康晴 

 

おわりに

「体感のへや」は、かなり広いので、多少混み合っても他の作品群より楽しめると思います。4つの作品すべて見ても、10分もかからないと思います。小さい子でも飽きずに、全部見られそう。

また、会場の真ん中で座って見るのが気持ちよかったです。壁にもたれかかって見るなんてもったいなさすぎます。360°ぐるりと囲みこまれた映像と音楽の中で、「デザインあの世界」にどっぷり浸るのは楽しいです。

他の展示作品の中でも最も、”Eテレデザインあ”を感じることができる映像作品だと思います。

関連過去記事

この体感のへやが楽しいと感じられたのなら、こちらの作品も楽しめると思います。こちらは2018年10月14日までです。

www.2121designsight.jp 

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夏休みの混雑状況について記録してみました。 

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