楽しく遊べる日のことばかり書いてきましたが、たまには楽しく遊べない時をどうのりきったかについて書いてみたいと思います。
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ちょうど季節は今頃、運動会の練習がはじまった頃でしょうか。
その日は、しとしと雨が降っていました。
娘は朝起きられず、布団にへばりついていました。無言で、顔をつっぷしています。そういう日は大変。急かすとさらに感情が爆発するので、なだめおだてながら、なんとか遅刻気味に家を出発しました。
あと少しで幼稚園という時でしょうか。
そこからが修羅場でした。
ムスっと無口で歩いてた娘が突然、
帰る‼️と言い出したのです。
行くよ~
帰る~
行くよ
帰る
行くよぉ~~~!!
帰るぅ~~~!!
の応酬です。
すれ違う人からみればまるで私は悪者でしょう。鬼ばばあです。でも、ここまで来たんだからと私も意地です。
あーこれ、どこかでみたことあるなぁと思えば幼い頃の私です。私はまさに、その日の娘と同じ感じでした。親にも先生にも怒られ、この世の終わりのような絶望感から激しく暴れたことを今でも覚えています。
自分はどうすればよかったのかなんて、そのときも、これを書いてる今でも、分かりません。
ただ、その時頭によぎるのはいろんな方々のアドバイス。
ある先輩ママは、
「子どもに無理強いするのはよくないよ。かえってそれがトラウマになって行けなくなるよ」
保育園時代の先生は、
「(泣きじゃくってる)お子さんを私たちにお預けになったら、振り向かず自分のことを考えてください。帰る頃にはにっこり笑ってますよ。」
仕事をしてたときの同僚は、
「子どもが泣いて保育園に行かなかったとき、思いきって会社を休んだよ。」
あきらめてこのまま帰るか、行くか。むすめの手を引っ張りながら迷います。
でも、やっぱり、やらなきゃいけないことは、やらせなきゃダメだよなぁという思いとともに、言うことが聞かない娘にだんだん腹がたってきます。
あ~。そんな私はかつての憎んだ自分の母と同じ。分かってるけれどスパークした自分が止められません。幼稚園に行くと決めたその目的を遂行するためだけに意地をはります。
親子で意地のはりあいです。
娘も、服が破れんばかりの勢いで私にしがみつくので私も必死。鬼の形相で息も絶え絶えにようやく幼稚園にたどり着きました。
汗と涙と雨でべたべた。二人ともヨレヨレです。幼稚園に到着した私たちを見て先生はこんな提案をしました。
頑張ってきたね~。
でも、辛いんだったら今日は帰ったら?
もしかして、疲れてるんじゃない?
今日は、ママも、娘ちゃんもゆっくり休んだ方がいいんじゃない?
泣きさけんでも、預かっちゃうときもあるけど、今日の娘ちゃんは、休んだ方がいいわよ。
「えっ。あ、はい。」
さっきまで、行かなくちゃ!って思っていた強い思いは、ふわっと飛んで行ってしまいました。今振り返って思えば、
大型台風の朝、むりやり頑張って出勤して、「え~こんな嵐の日に無理して来なくてもよかったのに。」
と言われるのと似ているような気がします。
なんだか、憑き物が落ちたようたように、がくんと無気力になったのを覚えています。
子どもの感情は天気のようです。そして、幼稚園のベテラン先生は有能な気象予報士のようなものでしょうか。理由を深く追求することなく、「今日は休んだ方がいいわよ」と、私たち親子二人の姿を見てはっきり言ってくださった先生は、普段から娘のことをよく見てくださる方でした。その先生がいうからこそ、休ませなくてはと、冷静さを取り戻せたのかもしれません。
結局、二人でトボトボと家に帰りました。家に帰った娘は、いつも通りの娘に戻り、のんびり過ごしました。そして、翌日からは何事もなかったように幼稚園に通いはじめました。
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その後、娘の場合、「疲れ」と「天気」が幼稚園に行きたくない感情のスイッチになっていることが分かってきました。体が疲れていると、幼稚園や学校での辛かったことばかり思いだされてしまうようです。
体が元気だと、あれやりたい、これやりたい、と前向きにいろんなことを考えて嫌なことを忘れているようです。
そこで、疲れている時は事前にいろんなことをストップし、休ませることでなんとか乗り切れるようになってきました。
「幼稚園&保育園に行きたくない!」と、突然訪れる嵐ような子どもの感情爆発を支える親の労力は想像を絶するものがあります。そして、その嵐をどうのりきるかのマニュアルはありません。難しいですね。
昨日、ちょうど同じように「行きたくな~い」と絶叫するお子さんに出会いました。つい1、2年前の私と同じように困り果てたお母さまを前に、なんとかしてあげたいという気持ちが沸き上がったのですが、知らない方だったので声をかける勇気もなく、どうしていいか分からないままその場を通り過ぎてしまいました。その時、何も助けてあげることができなかった自分の行き場のない感情を埋めるかのようにダラダラ書いてしまいました。
「いきたくな~い」と叫ぶ女の子の声をききながら、こんな風に思っていました
「うちも同じでしたよ。今をなんとかのりきってください。応援しています。」
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仕事してたらこんなことできないですよね。我が家も娘が1歳のときまでは娘を保育園に預けて共働きでした。でも娘の体が弱いことが分かり、自宅で働く道を模索することにしました。