こどものあそび観察日記

こどもの充実した時間とはなんぞや!?

子どもに優しいだけでなく、大人の知的好奇心を満たしてくれる、国際子ども図書館

ずーっと行きたかった、国際子ども図書館にいってきました。場所は上野。東京藝術大学の近くです。

今回は、子ども図書館で過ごした様子について書いてみたいと思います。

f:id:hipopocroco:20180625114754j:plain

国際こども図書館入口

国際子ども図書館とは?

次の3つの役割を担っています。

  1. 児童書専門図書館としての役割
  2. 子どもと本のふれあいの場としての役割
  3. 子どもの本のミュージアムとしての役割
  4. 使命・役割|国際子ども図書館について|国立国会図書館国際子ども図書館

そのため、貸し出しはできず閲覧が基本ですが、普通の図書館では見られない昔の貴重な絵本を見ることができます。

一般向けというより、図書館に携わる方々の研修ふ施設としての意味合いが強いような気もします。

ですが、読み聞かせが好き子ども向けの本が好き、散歩が好きというご家族が遊びに行くには十分すぎるほど楽しい施設です。その魅力をだらだら書いてみたいと思います。

f:id:hipopocroco:20180625114743j:plain

1906年建設の帝国図書館の外観がまだ残されています

図書館職員による読み聞かせとわらべ歌

  • 0~4歳 
  • 4~7歳 
  • 8歳以上

と、三段階に分けて、読み聞かせのプログラムを変えてあるのはさすがです。

図書館が大好きで、いろんな図書館をめぐりましたが、乳幼児期・学童期に分かれているのしかみたことがありません。三段階はさすがです。

4歳以上は読みきかせ

日本のおはなし、外国のおはなし、創作絵本、科学絵本、詩、ことばあそびの本、わらべうたなどを組み合わせ、好奇心旺盛な子どもたちの心に応えます。
おはなし会ではストーリーテリング(覚えたおはなしを本を見ないで語ること)と、絵本の読み聞かせを行い、導入にわらべうたなども取り入れています。

子どものためのおはなし会|国際子ども図書館における実践|

 娘と私が通う、地域の図書館と違うのは、ストーリーテーリングがあること。

子どもの顔を見ながら直接語りかけるように暗記したお話を教えてくれるという、私にはとうていできない語りを実現してくださいます。(今回は時間がなく、参加できませんでした。)

毎週土曜日に開催されていて、”4歳~1年生””2年生以上”と、二部制になっています。

各回ともに30分。

 

ストーリーテーリングだったら、こちらの本が有名ですよね。子どもが一人で読むのではなく、大人が覚えて聞かせることが前提として作られていて、とても薄くて鞄にサッと入る本です。 

おはなしのろうそく 1

おはなしのろうそく 1

 

以前、ある読み聞かせの会に参加した時に、ストーリーテーリングをやってもらいましたが、絵を見るのとは違う刺激がありました。 こちらの図書館ではどんな風にやるんだろう、いつか参加してみたいです。

 

4歳まではわらべうた

わらべうたで言葉の響きやリズムを楽しみ、人の声を聞く心地よさを体験した子どもは、絵本を読む声にもよく耳を傾けるようになり、自然と本に興味を持つようになります。
このため国際子ども図書館では、わらべうたを多く取り入れた「ちいさな子どものためのわらべうたと絵本の会」を行っています。

ちいさな子どものためのわらべうたと絵本の会|国際子ども図書館における実践|

 赤ちゃん~4歳までを対象に平日不定期で実施されています。詳しくはこちら

 

どんな本があるの?

閲覧専門ですが、自由に本棚から本を取り出して読んでよいスペースがあります。

それが、こちら。

  • 子どもの部屋(1階)
  • 世界を知る部屋(1階)
  • 児童書ギャラリー(2階)
  • 調べ物の部屋(2階)

▼お部屋の中は写真を撮ることができなかったので、こちらのHPのフロア案内をご覧ください。

フロア案内|各室の利用案内|

 

子どもの部屋

このコーナーに我が家は最も長く滞在しました。普通の図書館とあまり変わりません。円形のテーブルとイス。大人も静かに読める椅子。小さなお子様が靴を抜いでくつろげるスペース。そんな居心地の良い空間です。

図書館スタッフに伺うと、選出基準は「長年読み継がれている本」とのこと。なので、流行り廃りのあるキャラクターの本はありません。でも、どんな本があるかを眺めているだけで、どういう絵本が評価されてきたのか、これからどんな本を子どもに読ませようか考えることができます。

世界を知る部屋

 日本の有名な絵本が、どんなふうに海外で翻訳されているかを見ることができます。英語はもちろん、フランス語、韓国語などなど、、、。地域の図書館でも英語絵本コーナーがありますが、この量は圧巻。

そして、とても興味深いカテゴリーが、世界のABC・数の本。どうやって、文字・数学の概念を子どもに伝えようとしているか国によって様々でとても興味深いです。

お金をかけず子どもとのんびり過ごせる施設

子連れで行くにはちょっ遠い場所だったので、幼児期に行くことはできませんでしたが、もし近い場所にあればかなりリピートしていきたくなる場所です。

▼写真にあるようにアーチ棟一階辺りに、広いくつろぎスペースがあります。ここなら、歩き始めた子を自由にさせられます。

f:id:hipopocroco:20180625114805j:plain

アーチ棟

▼こちらでは、持ってきたお弁当を食べることができます。外食が厳しいイヤイヤ期の子ども時代だったら本当に助かります。

f:id:hipopocroco:20180625114842j:plain

フリースペース

▼もちろん赤ちゃんも大歓迎な装備。

f:id:hipopocroco:20180625114848j:plain

フリースペース近くのおむつかえコーナー

浪漫を感じて楽しむ

時代はちょっとずれるのですが、モガ・モボの姿をこの建物に思い浮かべてもぴったりな建築物だと勝手に妄想しています。明治・大正の建築物が好きな方にはたまらない施設だと思います。こんな歴史ある建築物が普通に利用されていることにちょっとした感動です。田舎出身なので、つくづく東京ってすごいなぁ。本を見るだけでなく、ちょっとした観光気分も味わえます。

f:id:hipopocroco:20180625114811j:plain

重厚なレンガづくりを残した回廊

ただ、撮影できる場所が限定されているのが残念。

f:id:hipopocroco:20180625114821j:plain

児童書ギャラリー入口

この児童書ギャラリーがまた、素敵なんです。広い天井をささえる装飾された柱。リニューアルされているとはいえ、当時の雰囲気を残す造りが大好きです。しかも、置いてある本は、明治以降の絵本・児童書など実際手にとって見ることができます。当時、どういう絵を子どもたちが好んでいたのかとても興味深いものがあります。

f:id:hipopocroco:20180625114832j:plain

大階段

 タイムトリップしたようなうっとりしてしまう階段。写真のとりがいがあります。こういう歴史的建造物って子どもが生まれたらなかなか行けないのですが、ここは大手を振っていくことができます。惜しむらくは遠いこと。。。

他にも、写真には収められなかったこの建物の歴史や写真があるのでぜひ▼こちらをご覧ください。展示ホールも思わず写真を撮りたくなるほど美しかったのですよ。

建物の歴史|建物の紹介|国際子ども図書館について|国立国会図書館国際子ども図書館

施設の紹介(ギャラリー)|建物の紹介|国際子ども図書館について|国立国会図書館国際子ども図書館

おわりに

子どもが楽しい!というより、本好き・歴史好き・建築好きな大人が、子どもと楽しめる施設だと思います。休日は、「子どものため」、「子どもが好きなところにお出かけ」となりがちですが、たまには大人も楽しめるところに行きたいという欲求を満たすことができます。とはいっても、建築・歴史・絵本などに興味がなければ大人も全然つまらない場所ではあるのですが。歴史好きな夫、建築好きな私、絵本好きな娘、全員が満足できる場所でした。

混んで疲れた上野動物園から帰る前に、一休みするにはちょうどよい(?)かもしれません。

図書館ってやっぱりいいですね。本を借りるだけでなくそこに行くまでのプロセス、そして、そこで得る何かがあるって嬉しい。

 

関連過去記事 

hipopocroco.hatenadiary.com