前回、伝記漫画にはまっている自分の子どものために、小学低学年でも読めそうな伝記漫画を一気に紹介しました。
今回は、出版社ごとの違いについて感じたことをだらだら書いてみたいと思います。毎週、本屋&図書館で偉人コーナーにかじりつく子どもにつきあううちに、いろいろ書きたくなってしまいました。
比較する出版社のシリーズ
*各出版社のぺージのリンクです。
他の出版社からも偉人伝漫画が発行されていますが、うちの子はほとんど手にとりません。上記した4つの出版社の漫画を探しまくっています。
あともう少ししたら、学研 new伝記シリーズも読めそうですが、難しく感じるのか読もうとしないので今回は割愛します。
その1 魅力的なイラスト・迷ったらこのシリーズ「ポプラ社 コミック版世界の伝記」
主な特徴
今風で魅力的なイラストが多いです。例えば、石ノ森章太郎さんのマンガを担当しているのが、シュガー佐藤氏。夫に指摘されて確認したのですが、石ノ森章太郎のお弟子さんなんですね。全然知らなかった。うちの子は迎 夏生(むかい なつみ)さんのイラストが好きで、迎さんの本ばかり選んでいました。「これ、クレオパトラ書いたのとおんなじ人だぁ~!目が似てる~!」って感じで、作者の名前は知らなくても発見していました。とはいっても、イラストは好みなので好き嫌いはあるかもしれませんが。。。
私は、このシリーズが一番好きです。イラストもいいんですが、なにより取り上げられる人物の選出が好きです。戦国武将から維新にかけての日本の人物は別のシリーズでまとめられているのがありがたいです。伝記に興味をもちはじめた娘には読みやすく分かりやすい人物の選出がすばらしい。迷ったらこれを買えばいい!と思えるスタンダードな伝記シリーズです。
ただ、ポプラ社のセットのページには6歳~2年生向けと表示されていますが、1冊ごとの紹介ページでは、3・4年生向けと書かれています。興味がなかったら、5年生でも面倒くさくて読まないかもしれません。オールふりがなですが、1年生では知らないだろう用語がたくさん使われているのでちょっと難しいかなと感じています。
セット販売
国内外の人物が分かれることなくバランスよくセットになっているのが魅力です。
イラスト
最近の画風で、娘世代の子どもにはなじみやすい絵だと思います。いろんな漫画家さんが書いていらっしゃいますが、みんなうまい。総じてレベルが高い気がします。巻頭約10ページがオールカラーですっと入りやすいです。
解説文
イラストの少ない説明文をがっつり読ませる内容です。なので、ちょっと長めの小さめの字を追うのに慣れていないとかなり難しく感じると思います。
おまけ
うちの子は戦国武将に全く興味がないので持っていませんが、ポプラ社から出ているコミック版日本の歴史はすごいです。気合入っています。特設HPも充実していますし、描かれる武将の数も多い。文字量が世界の伝記より多く、描かれるテーマも難しい気がするのですが。好きな子はどはまりしそうです。
その2 コンパクトサイズ・解説ページが充実「KADOKAWA まんが人物伝」
主な特徴
特設HPがすごいです。(まんが人物伝 | 角川まんが学習シリーズ)
この4つの中で一番充実していていますのでぜひ見てください(2019年春現在)。有名人・一般読者の感想や監修された山本博文先生の紹介文が載っていて、10P 程度試し読みができるんです。近所の本屋は全部カバーがかかっていて試し読みできなくて、少し遠くの本屋まで足を運んでいます。試し読みできる本屋がなかったら、角川の本をAmazonでポチっとしたと思います。
唯一ソフトカバーで小さいサイズの漫画です。なので、持ち運びに便利で持ちやすく、本棚スペースを節約できるという特徴があります。難点をあげるとしたら、一番種類が少ないこと。でも、その分、ものすごく練られてるし内容も充実しているので買って後悔はありません。軽さと持ちやすさから、ついついこのシリーズの本を買ってしまいます。
セット販売
女性伝記セット・クリエーター伝記セット・天下統一セットと、3つのジャンルに分けてるところが揺さぶられます。しかも、1セット3冊入りで3000円以内。この手軽さは購入ハードルめちゃめちゃ下がります。娘のために、女性伝記セットを買おうかとかなり迷いました。
角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 愛を伝える女性伝記セット
- 作者: 金井一薫,關宏之,大塚信
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 夢をかなえるクリエイターズセット
- 作者: 金井正雄,ウォルト・ディズニー・カンパニー,小野田滋,高橋団吉
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
イラスト
ポプラ社同様に、娘にとっては今風の入りやすいイラストだったようです。巻頭10ページ近くはカラーです。描きこみの量もポプラ社と変わりません。
解説文
角川の解説文が一番子どもには分かりやすいです。ランキング形式や、漫画もあり、新聞を読んでいるように、偉人の生きた時代背景や登場人物などを掘り下げて教えてくれます。
その3 海外在住の友達に紹介したい!kindleで買える!「小学館 学習まんが人物伝」
主な特徴
偉人の数が一番多いのが小学館です。他の出版社では取り上げない偉人さんがたくさんあります。娘が言うには、一番情報量が多いとのこと。確かに、年表も他より多い4ぺージしかも細かい。関連人物ぺージなども学術っぽい雰囲気漂うシリーズです。最初はとっつきにくくてうちの子には無理。と思っていたのですが、興味ある人物を掘り下げたい時はこのシリーズを読んでいます。一時期、ナイチンゲールとヘレンケラーにはまった時、この小学館を探しまくっている時がありました。
小学館の最大の特徴は、電子書籍版が販売されていること!!全部ではありませんが、かなりの数がKindle版で出版されています。これ、海外転勤になった友達にぜひ教えてあげたい。ちなみに、こちらの知里幸恵さんはこの漫画で初めて知りました。なんだか、私も子供と一緒に勉強しなおしている気分です。
セット販売
公式にはセット販売していないようです。
イラスト
このシリーズが一番最初に発刊されたのが1996年。私たち親世代からするとちょっと懐かしい画風ですね。なので、子どもによっては好き嫌いが別れるかもしれません。
解説文
低学年の子にはかなり難しいと思います。うちの子は好きな偉人さんだけ頑張って読もうとしています、どこまで理解していていることやら、、、。読み応えがあるので好きな偉人さんならぜひ買ってあげたいと思えるシリーズです。
その4 生き方を考えるヒントになるかも?「集英社 学習まんが世界の伝記NEXT」
主な特徴
前回も書きましたが、伝記NEXTにはピンクと黄色の二種類があります。ピンクの方が若干ページ数が多く、少しだけ難しい印象があります。黄色の方が読みやすそうな気がしますが、初めて読んだ伝記はNEXTのピンクでした。結局、入り込める絵か、知りたい人物かどうかの方が重要で、難易度はその後ついてくる気がします。
このNEXTの特長は、女性の伝記が圧倒的に多いこと。角川も女性シリーズがありますが、こちらの方が断然多いです。
歴史的な知識を深めるというより、生き方を考えさせられる構成になっているような気がします(気のせいかな。。。)。そのせいか、世界を変えたというより、仕事や自分の生き方に誇りを持って活躍された偉人の方が多いような気がします。もしかしたら、友達関係や将来のことで悩み始めたときに読むと良いシリーズかもしれません。
セット販売
ピンク版は、人物が額縁に入っているようなデザインです。
こちらが黄色版
イラスト
巻頭がカラー原稿ではなく、強調したいストーリーの部分がカラーになっていて、物語をドラマチックに盛り上げます。スクリーントーンや色使いなど落ちついているので、ちょっと懐かしい印象があります。
解説文
NEXTピンクは読みごたえがあり、少し難しそうですね。逆に、NEXT黄色はイラストも多いので読みたくなる構成になっています。
おまけ
こちらの伝記に見覚えはありませんか?私が子どもの頃読んだ伝記はどうやら集英社のものだったようです。あんまり懐かしいので紹介しちゃいます。
集英社 学習まんが 世界の伝記 愛される作品を残した天才 10冊セット (学習漫画 世界の伝記)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/04/03
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
カバー表紙を見比べてみる
*画像はすべてAmazonの商品販売ページのリンクにつながっています。
エジソン
▼ポプラ社
▼角川
▼小学館
▼集英社
ナイチンゲール
▼ポプラ社
▼角川
▼小学館
▼集英社
子どもを出産し、久しぶりにマンガ伝記を見て違和感を感じましたが、不思議となれるものです。
一つの人物を読めば満足するのかと思ったら、好きな人物に関してはコンプリートしようとしている娘に脱帽です。
おわりに
我が家ではどうしても欲しい人物だけ買うことにしたので、セットで購入はせず図書館を活用しながら過ごしています。おかげで、こんな粘着質な記事を書けるほどになりました。でも、本当は、予算が潤沢にあれば同じ出版社のものをズラーって並べるのに憧れています。
娘は勉強している感覚は全然なくて、ドラえもんを読むように読みふけっています。すぐに飽きるのかもしれませんが、夢中になっている時は夢心地にさせてあげたいなぁと思います。
出版社の方にお願い
どうか、伝記まんがのサイトに試し読みページを設けてください。
近所の本屋さんは全部本にカバーがかかっています。
節約を強いられている私としては、表紙だけを見て買うことはまずありません。
子どもが読みたい!欲しい!って言わない限り、もったいなくて買えません。そして、そう言わせるには、子どもが手にとって読まないとダメなんです。ところが、近所の中堅どころの本屋さんは伝記漫画にカバーがかかっています。本を開いて子どもの言語レベルに合うかどうかを確かめることなく買うなんて、宝くじを買うようなものです。それに、残念ながらお店に置いている品数も多くありません。Amazonで買おうとしても中身が分からないと躊躇します。
図書館や大きい本屋に足しげく通ったおかげで、傾向を把握した今ならAmazonでも中身を見なくても買いますが、知らなかったら購入にはいたりません。
子ども向けの本だからこそ試し読みぺージ、紹介動画があったらいいのにと思います。
もし、こちらのサイトを目にとめた方がいらっしゃいましたらご一考ください。