ライゾマティクスリサーチは、Perfumeやリオ・オリンピック閉会式の映像に携わるお仕事をされてきました。幅広いデジタル・アートを扱うライゾマティクス社の部門の一つです。
アート+コムは、同じくメディアアートを作り出す会社です。ドイツを拠点に活動し世界中で活躍されているようです。初めて知りました。これからチェックしていきたいアーティスト集団です。
そして、同時開催されていた、オープンスペース2016メディアコンシャスも行ってきました。
ライゾマティクスリサーチは、ずっと気になっていてテレビの映像やyoutubeで見ていました。今回、ICC(NTTインターナショナルコミュニケーションセンター:新宿)で展覧会が開催されていることを知り、娘を連れて行ってきました。今回は、この二つの展示を5歳の娘がどんな風に見ていたかをレポートしてみたいと思います。
光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」
入場料:500円
ライゾマティクスリサーチ《distortion》
会場そのものが暗くて最初は怖かったようですが、一番最初のこの作品は「なんだこれ?」っていう感じで、よくわかんないから立ち去ろうとしていました。ところが、鏡張りになっている5つの巨大直方体が光に合わせて動き出した瞬間、家族みんなで立ち止まってしまいました。
そもそも、鏡と鏡を合わせるのって楽しい。子どもの頃、3面鏡を合わせて遊んでいました。その鏡と鏡を重ね合わせる楽しさをテクノロジーと光を使って壮大に遊んでるような作品です。
娘は、鏡がフォーメーションを変えて動き回るのは結構面白いらしく、座り込んで見ていました。最初は光を見ていましたが、途中、自分の顔がいろんな鏡に映ることが分かり、手を振りながら見ていました。
でも、長時間見ていると酔います。目が回って立ち上がると親子でふらっとしていました。
言葉ではうまく説明できないので、上のリンクの写真をご覧ください。
アート+コム《RGB|CMYK Kinetic》
これはすごい。光の移り変わりが美しく、音楽もまたいい感じで見ていて飽きませんでした。写真OKだったしきれいに撮れたのでご覧ください。
▼鏡が天井からつりさげられていて、変幻自在に動き回ります。娘はこれを見て、お月様みたいといっていました。確かに、惑星直列にも見えるし、宇宙を表しているようにも感じられます。
▼鏡の動きに合わせて映る床の影が面白いです。娘が言うように、月の満ち欠けにも感じられます。
▼手前は、鏡に映った光の反射が映り、奥には、光の影が映って不思議な形を床のキャンバスに作り上げます。
▼色が付くと、また幻想的です。思わず「きれ~い」と娘はつぶやいていました。
▼そして影を踏んで遊んでいました。
▼複雑な形に思わず見入ってしまいます。
どうして、こんな影ができるのか?全然分からなくて、夫と娘が立ち去った後も思わず一人でずーっと見てしまいました。
でも、分からないっ。
どうして、鏡の前後に三色の光が鏡の数だけ映るのか。
RGBのライトが出ているのは1方向だけです。3色のRGBライトの光が重なってフロアが白くなるのは分かります。鏡からRGBの光が反射されて影の部分にRGB光が映るのも分かるけれど、どうして、白いフロアの部分にCYMの光が映ってるの?本来なら、白いフロアの部分には鏡の黒い影が映るんじゃないの?鏡を通過すると、RGBの光がCYMになるってこと??とにかく、白いフロアにうつるCYMの光が不思議てたまりません。
うーーんどういうこと???説明を読んでも私には全然分かりませんでした。
「これ、どうなっているの?」っていうことについ気をとられてしまいましたが、本当はそんなことより、何を感じるかの方が大切なのかもしれません。
*****
とても小さな展覧会だったので、メインの展示はこの二つです。あとは、他にも過去の作品をテレビモニターで見られるコーナーがありました。娘は少しその映像を見ていましたが、あとは長続きせず外に連れ出すことになりました。
滞在時間は30分くらいだったと思います。
オープンスペース2016 メディアコンシャス
入場料:無料
この展覧会は、娘にとって作家さんの「好き・嫌い」がはっきりと表れたものでした。一番楽しく見ていたのは、これ▼岩井俊雄さんの作品
自分が映し出された残像が不思議な形になるのが楽しくてたまらなくて、飽きるほど何回もモニターの前に立っていました。そして、、、今気が付きました。
岩井俊雄さんって、
きゃー「100かいだてのいえ」のいわいとしおさんじゃないですか。美術館にいるときは、娘が展示物に触るんじゃないかと冷や冷やしてキャプション全然見れてませんでした。いわいとしおさんって、どうして子どもの食いつくものを作ることができるんでしょうか。ますます大好きになりました。そもそも、岩井俊雄さんといったらウゴウゴルーガ。絵本作家というより、メディアアーティスト。一度も展覧会に行ったことがありません。いつか開催されないかな~。
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あと、こちら▼のコーナーが大人気でした。
娘だけでなく小学生くらいの子どもたちが、いろいろいじって遊んでいました。こんなに難しそうなタイトルなのに、自分の手で操作できるものがあることを子どもは敏感に察知するようです。
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個人的には、これ▼が見たかったな~。でも、待ち時間もすごく長かったのであきらめました。
現実と仮想空間との境界があいまいになり,自分が見ているものが現実なのか虚構なのかの区別がつかなくなっていきます.
体験してみたかったです。
東京オペラシティについて
ICCがある新宿初台の東京オペラシティは、小さい子連れにもわりと優しいです。遊具は何もありませんが、なんといっても、広い。娘は、歩き始めた1歳くらいの時に初めて行きましたが、夫と交代で展覧会を見ながらフロア中を散歩していました。広くて障害物もありませんし、大きな声では言えませんが、かなり空いています。
▼こんな緩やかなスロープや、
▼広すぎる階段
▼天井の不思議なオブジェ
ICCだけでなく、ギャラリーもありますが、両方とも手ごろな大きさなので、何時間も滞在するような展覧会ではありません。初台駅直結なので、ベビーカーで行っても楽でした。
おわりに
入場料は、規模が小さい分他の展覧会に比べ安いので気軽に行けます。娘に見せたいというより、夫婦が行きたいから強引に連れていった展覧会でした。でも、なんだかんだで1時間半くらいは滞在できてびっくりしました。だいたい予想はしていたのですが、オペラシティーアートギャラリーも、ICCもたいてい空いているのです。そうすると、小さな子連れでも親がしっかり管理さえしていれば、他のお客さんに迷惑をかける心配も少なく連れていきやすいのです。現代アートを楽しむとしたら、現代美術館や六本木の方が大規模ですし有名な作品も来るのでいいかもしれません。でも、駅からのアクセスはこちらの方がしやすく空いているので、ベビーカーで移動するときはここの場所が好きでした。
本人は疲れた~と言っていましたが。鑑賞しながら子どもがつぶやく言葉は面白いです。大人の自分が、気づかなかったことに気づかされることがあります。ものの見方は人それぞれですが、前提知識がない子どもがどう感じるかを見るのは面白く感じます。また、子どもと美術館に行きたいと思いました。
光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」
アート+コム/ライゾマティクスリサーチ
会期:2017年1月14日(土)—3月20日(月・祝)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
*金曜日,土曜日は開館時間延長 午前11時—午後8時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日,保守点検日(2/12)
入場料:一般・大学生 500円(400円)/高校生以下無料
*( )内は15名様以上の団体料金
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
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もっと、ライゾマティクスリサーチの作品を知りたい方のために
▼ダンスとドローンを使ったパフォーマンス
▼Perfume2013年のパフォーマンス。これで、ライゾマティクスと真鍋大渡さんの知名度が一気に上がったような気がします。2分30秒くらいからPerfumeが登場します。
▼リオ・オリンピック閉会式の動画
【NHKリオ】2020へ期待高まる!トーキョーショー - YouTube
▼真鍋大渡さんのHP 紹介しきれないの割愛しますが、彼のインタビュー記事っておもしろいんです。興味ある方はぜひ。
Daito Manabe | Artist, Designer, Programmer, DJ, VJ, Composer
もっとアート+コムの作品を知りたい方
▼こちらで、発表されている作品を見ることができます。
▼joachim sauterさんは、アート+コムの中心的なメンバーです。彼のインテビュー&作品動画です。