どんな展覧会でも、大人がじっくり見たいなら子連れだと苦しいです。一人なら、音声ガイドなども使って鑑賞するのですが、それが全くできない。。。今回もキャプションなど読めなかったのは本当に残念。けれど、そんな知識関係なくただただ圧倒されました。
そして、この展覧会では4歳娘の作品を見ながらのつぶやきが面白すぎました。言葉が飛躍的に発達したことで、娘なりの発見が感じられ興味深かったです。
そこで、4歳娘がこの展覧会でどう楽しんだかをレポートします。
記事最後の方に、この展覧会を子どもと楽しむためのおすすめ方法をまとめました。子連れで美術館鑑賞する際のヒントになれば幸いです。写真フリーだったので、たくさん載せさせて頂きます。(今回はちょっと長めのエントリーなので目次を作りました。)
目次
- 娘の鑑賞の様子レポート
- 鑑賞にかかった時間&混み具合
- 子どもが楽しむためのおすすめ方法
- おすすめイベント
- おわりに
- おまけ(村上隆さんにまつわる思い出話)
娘の鑑賞の様子
▼娘:猫カワイイ!!ニャア!!(入場前はまずポーズをとって写真を撮る。でも、それ猫じゃないし)
▼娘:楽しいところは?つまんない。(思ってたんと違うらしい。最初の方はブツブツ文句を言っていました。私もっとゆっくり見たい!)
▼父:変なものの上にのってるよ~
娘:亀の上に乗ってる~(ゲラゲラ)
▼娘:これ、絵の具で描いたのかな?
▼娘:つまんなーい!!!(怒る!!!)
(入り口にあるようなカワイイ動物のオブジェがたくさんあると思ったようです。こんなにすごい絵なのに!!!)
(飽きそうな娘のテンションを上げるために、五百羅漢図の展示会場で、旦那のナイスな声掛けがスタート!ここから、作品をみるようになりました)
▼父:頭の上に人が乗ってるよ?
娘:こんなして横向いてるね。(羅漢様と同じポーズをとる)
母:頭の上に乗ってる人さがしてみたら??
娘:あそこにもいる~1、2、3、、、、(数え天狗の真似)
*数え天狗とは、Eテレおかあさんといっしょのコーナーです。
▼娘:この人鼻水垂れてる~垂れてる!!(垂れてないのに、垂れてるを連発!!!)
▼娘:変な顔~ (父&娘)共にまねをして変顔する
▼娘:この人ほーっとした顔してる。変な顔~おもしろーい。
母:クイズです。髪の毛が生えてる人はど~こだ!!!
娘:(探しまくる。)見つけた~!
▼見つけたのがこの方
*私が探したとき、髪の毛がある羅漢様は二人でした。短い時間で探したのでもっとあるかもしれません。みんな(ハゲていらっしゃる)剃髪していらっしゃるので髪の毛ある羅漢様はレアです。ぜひ探してみてください。
▼父:カメハメ波しているのはど~こだ!
娘:あった!真似してポーズをとる。(なんでカメハメ波を知ってる?)
▼娘:ミージャの魔法のランプだ!!
*アンパンマン映画に登場する魔法のランプのことを言っています。
▼娘:この人変なポーズしてる!!(真似をしてみる。)
▼娘:鬼さんおパンツ見えてる。ダメだよね~おパンツ出したら。(ゲラゲラ その後「おパンツ見えてる」を連呼)
▼娘:爪がきれい(鼻毛に注目じゃないのか???)
▼娘:ホラーマンだ!ホネホネさんかな??
*子育て世代出ない方のために、、、ホラーマンとはアンパンマン、ホネホネさんとは絵本に登場するキャラです。
▼娘:この絵宇宙の絵だよね!!サボの水博士が言ってたやつみたい!!
*サボの水博士とは、Eテレの番組の一つみいつけたに登場するキャラです。
終了!
娘が集中してみることができたのは五百羅漢図だけでした。。。
鑑賞にかかった時間&混み具合
【かかった時間】
記録を見ると、、、スタート 14:45 終了15:26
つまり、41分!!娘、よく頑張った。そんなに会場にいると思わなかった。
【天気&時期】
- 11月下旬 この日は、日曜日 14時過ぎに六本木ヒルズ到着
- 曇り ダウンを着るほど寒い。
【混み具合】
森美術館という場所がら、展望台エレベーター&チケット売り場でそれぞれ5分から10分程度並びました。会場入り口では入場制限はなく、スムースに入れましたが、入った時に娘は既に疲れていました。最初にぶつぶつ言っていたのはそのせいもあるかもしれません。並ぶだけでテンション下がりますよね。
作品が大きい事もあって、混雑していても比較的ゆったり見られるという印象です。ですが、これからこの展覧会が評判になると、
- チケット売り場で並ぶ
- エレベーター乗る時に並ぶ
- さらに開場前でまた並ぶ
- 最後に帰りのエレベーターで並ぶ
ということも考えられます。休日はお気をつけ下さい。
子どもが楽しむためのおすすめポイント
- ◯◯を探してみよう!!という探し当てクイズは有効です。
- 羅漢様のまねをしてみよう!!面白いポーズをしている羅漢様のまねをして、体を動かしながら作品を見るのは小さい子にとって楽しいものです。
【探し当てクイズについて】
大人が見て”面白い”と思う箇所をクイズ形式で出していく作品の鑑賞の仕方です。いわゆる絵本の『ミッケ!』みたいなものです。我が家のおすすめの探し当てクイズをまとめてみました。
- ホラーマン(ホネホネさん)に似ているものを探そう!
- 頭の上に立っている羅漢様を数えてみよう!
- かめはめ波をしている羅漢様を探そう!
- 髪の毛がたくさんある羅漢様を探そう!
- 入り口にあった聖獣を探そう!(我が家は探し忘れました。残念)
▼この聖獣が会場入り口のオブジェだと気づかなかった。写真を見て振り返って今頃気づきました。情けない。ぜひ、入り口オブジェの4体の聖獣を探してみてください。
【羅漢様のポーズについて】
一人一人みんな違う体の動きをしています。ぜひ面白いポーズをしている羅漢様をお子さんと一緒に探してみてください。ヨガのようなポーズをしている羅漢様もたくさん登場するので、ポージングするのは楽しいらしいです。娘はかなりやっていました。
*学芸員ではありません。美術館好きの素人が試行錯誤しながら子どもと楽しむ方法を考えた結果です。専門家の方、あたたかい目で見ていただけると幸いです。
おすすめイベント
- 小中学生プログラム
- ベビーカーツアー
- おやこでおしゃべりツアー
展覧会では、こんな子ども向けイベントが開催されています。すごく行きたい!!けどいけない。。。せっかく調べたので載せておきます。興味のある方はお早めに。
▼こちらに詳細があります。
おわりに
最初はブツブツ不平を言っていた娘ですが、主人の誘導につられて結構長く会場にいました。そりゃ、公園で体を動かす方が楽しいに決まっていますが、それなりに充実した時間を過ごせたと思います。いろいろ、失礼なことをつぶやいた娘ですが、変なもの、面白いものを手がかりに作品と向き合っていました。鑑賞教育の入り口はそれでいいんじゃないのかと思っています。
2,3歳くらいの時は、薄暗いところが怖くて主人と代わりばんこに展示作品を見ることが多かったのですが、今回は最後まで見ることができて成長を感じました。 これから、お子さんと共にこの展覧会に行かれる方の参考になれば幸いです。
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おまけ
*おまけのくせに長文になってしまいました。。。現代アートに関する内容です。このブログは子どもの遊びを中心に書いているので、位置づけとしてはおまけで。。。
ちょっと、思い出話。
2000年に奈良美智さんらとともに渋谷パルコで行われた『スーパーフラット』、強烈に覚えています。今のように、SNSが発達していないのですが、雑誌などの評判が良くて玄人筋の方がたくさん来場していたような気がします。只者ではない雰囲気の方がたくさんいて、いろんなオーラを発していました。『展覧会の作品が』というより、『それを見に来ている人も含めて展覧会』という印象があります。今思えば行っておいてよかった。あの時の自分偉い!!その後、0年代に発表される作品は好きにはなれないままでした。
でも、「どうして、自分が好きになれない作品なのに世界的に評価が高いのか??」という疑問が湧き上がってくるのです。本も読んだりしましたが、分かったようで分からない。そして、本やニュース記事などを読めば読むほど、どんどん気になってしまう方なのです。そんなわけで、久しぶりの日本での大規模個展、ちょっと無理してでも行きたいと思ったわけです。
この『五百羅漢図』は、今まで村上隆さんが発表してきた世界的に評価が高い作風とは異なります。それより、2007年に東京芸大美術館で開催された『自画像の証言』での、ご自身の自画像が思い出されました。これは芸大生の方が卒業制作時に提出した自画像を展示する企画展で、村上隆さんが学生時代に描いた作品も展示されていました。確か、日本画専攻らしい繊細なタッチで、パリっとしてないくたびれた青年のリアルさが醸しだされるような描写だった気がします。好きな作品だったので印象だけなんとなく覚えています。その自画像と羅漢様たちの雰囲気を重ねて見てしまいました。
また、村上隆さんが水木しげる先生の影響を受けているということが、この展覧会でも感じられます。
幼い頃、鬼太郎の天国・地獄入門 (多分コレだと思う。)を震えながら読みました。小さかったので記憶が曖昧ですが、これに登場するような羅漢様がたくさん登場します。ゴツゴツした足の表現や、こなき爺のような表情の羅漢様などは、水木しげる先生を彷彿させます。
そんなわけで、今まで発表されてきた、ヴィトンの『お花』や、TOKYO MXの『ゆめらいおん』とも全然違います。村上隆さんは、ちょっと、、、という方、『HIROPON』でドン引きした方も、行く価値ありますよ!
『スーパーフラット』から15年。私が現代アートに興味をもちはじめたのもこの頃だったので、なんとも感慨深いものがあります。15年たっても、村上隆さんの作品について分からない事だらけですが、行って良かった。できることならもう一度見に行きたい。
▼村上隆さんについてもう少し知りたい方はこの記事がおすすめです。
SHIFT 日本語版 | HAPPENING | スーパーフラット展
日本美学研究所 『現代アーティスト・村上隆(Takashi Murakami)』 日本の美の翻訳者
村上隆 ファンタジー映画で「子供の夢つぶしたい」 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版
水木しげるの怪奇・妖怪ものが大好きだった「オタク第一世代」という村上さん自身、それらの作品に含まれていた社会のひずみに影響を受けているという。
▼年の離れたいとこに頂いて、小さい時に何度も読んだ本。会場でこれらの本のことが思い出されました。
そして、、、
くしくも、、、
先日、水木しげる先生が旅立たれました。
急に、忘れていた鬼太郎の本が思い出されたのは何かのご縁でしょうか。
水木しげる先生 どうか安らかにお眠りください