こどものあそび観察日記

こどもの充実した時間とはなんぞや!?

東京現代美術館『あそびのじかん』レビュー

東京都現代美術館の夏休み企画「あそびのじかん」のオープニングレセプション&内覧会に行ってきました。

あそびをテーマに記事を書いているから、招待されました、、、。だったらカッコいいのですが、全然そんなことはなく(*最近ズレることも多くなってきましたし、、、。)、事前ワークショップに参加させていただいたので親子で招待されました。

リニューアルオープン前から現代美術館この夏休み企画はずっと参加してきたのですが、今回の展示も超楽しいです。そんなこの展覧会の様子をレポートしたいと思います。

www.mot-art-museum.jp

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開発好明《受験の壁》

会場入ってすぐにこれがあります。それだけで子どもたちはわぁーーーーって大喜びです。タンスの上に登るって怒られるじゃないですか?それが実現できるというだけで、子どもたちのテンションは上がります。ボルダリング嫌いな娘も飛びついていました。好きな子にはたまらないでしょうね。

でもね、安全上登れるのは一番下にあるタンスまでです。


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ぜひ遠くから見てください。大きな壁一面に、タンス!!圧倒されちゃいます。受験生が感じるプレッシャーを表現しているとのことですが、残念ながら娘には分かりません。彼女にとってはもう、ただ不思議な扉がある不思議な空間でしかないんです。そしてそれがもうたまらないワクワクにつながるようです。「この引出し全部あけたいっ!!」って言っていました。

そして、一か所だけ開いているのが裏口入学の扉。それがまたどこでもドアみたいで面白い。
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タンスの扉の向こうは、不思議の世界でした。

そんな物語が始まりそうな予感が嬉しくてたまらない。 

 

ここからは扉の向こう側の写真です。迷路に迷い込み出られなくなる感じ。ああ、大学受験の進路で迷うまさに青春時代のど真ん中に触れるような落書きが、じわじわときます。
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 娘にとってはただの迷路ですがが、大人はじっくり壁面の落書きを見ながら歩くのも楽しいですよ。文字を見つける楽しさもあるので写真の紹介は敢えて少なめにしておきます。
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 野村和弘《笑う祭壇》

子どもってお賽銭を投げるのって好きですよね。お金を投げてる感覚ないでしょ!!ただ投げるのを楽しんでるだけでしょ。って突っ込みたくなります。そんな娘のお賽銭魂をくすぐる作品です。しかも、ボタンのデザインがいちいち美しい。
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お賽銭は箱に入ってしまうだけですが、この作品は散らばったそのボタンがそのまま残っていきます。会期終了間近になったらどんなボタンの山になっているのかとっても気になります。
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 ハンバーグ隊《今までの行動や信頼性が一言の言葉で揺らぐなら、人のために何かをすることは∞でしかない》

光の三原色によってつくられる影で遊ぶのがめちゃめちゃ楽しいです。小さい子がととととっと歩く影の姿は本当に可愛い。うちの子は大きくなってしまってつまらないですが、めちゃめ素敵な写真が撮れますよ。

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 現代アートの醍醐味の一つが、作品タイトルを考えることです。どうしてこんなタイトルにしたんだろうって考えたときに初めて、「あっこの作品ってこういう意味があったんだ」って感動が押し寄せてくることがあるのです。なので、自分の中でタイトルがストンと落ちるまで作品を見続けるのですが、、、、子連れ展覧会の悲しいところは、子どものペースに振り回されること。この作品もっと見たかったなぁ。。。

タノタイガ《タノニマス》

娘は、ここが一番楽しかったみたいです。
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 部屋に入った瞬間、顔、顔、顔、顔!!

迫力満点です。これ、この部屋にいるだけでテンション上がるのに、壁のお面をはずして好きな顔にメイクできるのです。
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 床には、いろんな材料がたくさん。

さりげなくカッティングシートが見られますが、、、こんなに贅沢に使えるの嬉しい。学生の時高くて、めちゃめちゃ節約して使ってました。

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おなじみの工作素材や、布なんかもありました。もちろんマジックもあって、好きなように仮面のお顔をメイクできます。

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で、娘が作ったのがこれです。おススメの作り方は、ホチキスを使うこと!このお面は薄い素材なのでホチキスでいろんなものが止まります。毛糸や布はボンドとホチキス両方使うとすばやく完成させられますよ。
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TOLTA《ポジティブな呪いのつみき》《漠然とした夢の雲》

〇〇すると〇〇だ

という文字がたくさんあります。それを積み重ねて文章を作ります。

展覧会に先立ち5月に開催されたワークショップに家族で参加しました。その時に作ったのが、この〇〇に入る言葉。私たちもたくさん提供させていただきました。
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娘の作品。
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とても好きな展示作品です。でも、この会場だと子どもはハイテンションになっちゃうので、言葉をじっくり吟味するようなことはできず残念でした。ぜひ、今後、現代美術館のエントランスなどにこの作品展示してほしいです。待ち合わせなどの手持無沙汰の時こそ積みたくなる作品です。昔懐かしい喫茶店に置いてあったノートみたいに、来場した方のつぶやきを見ながら自分もつぶやきを残してみたいです。ぜひお願いします。
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これ、言葉でできているんです。千羽鶴みたいですね。私たちが提供した言葉はこの中に組み込まれているのかもしれません。
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会場に行ったら、この折り紙を忘れずにお持ちください!!これ、最後の展示で使われるんですよ。
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紙飛行機の折り紙です。どうなるかは、最後の最後のお楽しみ。
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うしお《不如意の儀》

これは、誰かが生活しているところに迷い込んだ感じの展示作品です。
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階段上ってみると、、、
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迷路のような空間。手前にあるのは点字で書かれています。
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What do you think?作品自体が、なんだと思う?と問いかけてくれます。
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現代アートならではの、空間を使った問いかけ。細かいアイテム一つ一つ見ながらどうして、こうなんだろう??なんて考える作業は私は楽しくてたまらないのですが、娘はというと、、、
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ベットフカフカで気持ちいいい!!とゴロゴロしていました。

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この昭和の広告とかめちゃめちゃ好き。
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 どうして、ここに洋服があるんだろうって、もっと考えたかったのに、娘はスルー。
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 秘密基地のような感じで子どもたちは不思議な空間を楽しめます。でも、小さいお子さんはお気を付けください。

帰る前にぜひ3階に!!


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遊びについて、こんなかわいいワークシートが用意されています。自分が書いたものが飾られるっていうだけで、子どもが手にとりたいって思えることは素晴らしいですね。
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興奮した気持ちを静めながらゆっくり色をぬったり最後の時間を過ごすことができます。
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最後の最後がこれ!TOLTAさんのコーナーにあった折り紙はここで使われます。折った紙飛行機を飛ばして、あの箱の中に入れて遊ぶんです。
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どの年代が遊べるか

今回の展覧会は、幼稚園から小学生はめちゃめちゃ楽しめると思います。

パンフレットにもありましたが、この展覧会のテーマはこれです。

触っていい作品がたくさん!

無理をしないでゆっくり鑑賞

あそびながら対話する

ただ見るだけでなく、作品作りをしながら、楽しむ展覧会です。娘が会場に入る感覚が、児童館に入っていく感じと似ています。ということは、児童館に行かなくなったお年頃の子どもたちは、この展覧会に行きたいっていうのだろうか、、、。娘が中学生だったら、子どもっぽいって言って行かないのだろうか。

あそびってなんだろう。ふと、またいろいろ考えたくなる展覧会でした。

あかちゃんに優しい現代美術館

この展覧会は、ゆったりとした時間が流れる展覧会ではないので、あかちゃんにとってはドンピシャで遊べるとは思いません。ハイハイすることは難しいですし。

でも、泣いてもいいし、触ってもいいし、天井は高いし、広いし、涼しいし、ベビーカー借りられるし、授乳室もある。スタッフの方々は子どもに超優しいですし、赤ちゃんを育ててるご家族にとってはとぉーっても居心地がいいです。娘がまだ小さく閉塞的な生活を送っている時とっても良い気分転換になりました。

例えば、所蔵品展(コレクション展)だと、入場料500円くらいですから気軽に気分転換できます。静かにゆったりベビーカーを押すことができるので精神的にも休まりました。

ただ、最寄り駅までの距離がちょっとあるのでバスを使うのが面倒くさいですが。。。暑くなければ木場駅からゆっくり木場公園を歩いていくのもとっても気分がいいです。

娘の美術館デビューは現代美術館でした。娘が1歳の時には、現代美術館に大変お世話になりました。その後も、家族で美術館に行ける習慣をつくったのが、この現代美術館の夏休み企画です。

と、、、書いておきながらも心配なのは混雑具合。。。

もし、企画展が超絶人気になってしまうとそんなゆったりした時間も残念な時間に変わってしまうのでtwitterなどで混雑情報を確認することをお勧めします。

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なんだか、昔よりベビーカーの数が増えてる!!これがほんとに助かるんです。

おわりに

手放しで楽しい!!って思える展覧会です。これは自信をもって友達に薦めまくりたい。

本質的な子どものあそびって、大人の見えない完全な子どもだけの空間で、誰にも気にせず何も意識せず、誰かによく見られたいとか、そういうの何にも関係なく沸き上がってくるもののような気がするんです。大人の手がそこにちょっと加わっただけで、崩れちゃうような。。。

この展覧会はそんなあそびに近づけようとしている気がします。なので、子どもを会場に放り込むだけで、子どもたちは能動的に動くことができます。それがいかにすごいか!(もちろん、安全管理のため親は見守る必要はありますが。)いろんなところでワークショップをやっていますが、大人の説明なしでここまで子どもを主体的に動かすことができるものはあんまりないと思います。さすが現代美術館。遊び方を指し示すのではなくて、その場に行けば何か勝手にしたくなる。しても許される。そんなしかけがされている展覧会です。もう一回行きたいな。。。と思ったら、パンフレットがリプレイ券になってました。2割引きです。やった!
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