東京都美術館で開催されている、「バベルの塔」展に行ってきました。
娘を美術館に連れていくときにはとても緊張します。走り出さないか、触らないか、大声で叫ばなないか。。。
小さい頃は、触ったり聞いたりと、感覚的に楽しめる現代アートをねらって連れて行きました。
最近は、ちょっと落ち着いた展覧会にも挑戦しています。今回家族で行ったのが、「バベルの塔」展。16世紀のフランドル美術のコレクションって、子ども的には派手さに欠ける展覧会ですが、どんな様子で鑑賞していたかをレポートしたいと思います。
とびらボードで遊ぶ
まず、入場する際にテンションの上がる出来事が、、、。
店員さん:「お絵かきしますか?」
娘・私 :「???はい」
店員さん:「ではどうぞ?」
と、手渡されたのがこの「おえかき先生」のようなボード。
「とびらボード」というもので、東京都美術館のサービスです。これに、娘がとびつきました。もともと、お絵かきが好きな子なのでもらった瞬間から描きながら歩いていました。
これのおかげで、私はゆっくり見られる、、、、なんてことにはなりませんが、娘の興味がないコーナーの時はちょっとお絵かきして待っててもらうことができました。
最初は気分のおもむくまま描いていたのですが、いつのまにか王冠やティアラを描き始めました。今回の展覧会では「バベルの塔」だけでなく、16世紀のネーデルランド絵画がいくつも登場します。そこに、ティアラを身に着けた聖母像がいくつか展示されていました。どうやら、それを見ていたようです。ソフィアなどのプリンセスアニメの影響ですね。
▼例えばこれ《聖バルバラ》。娘流に模写されています。
*こちらの記事に聖バルバラの画像があります。
ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 | 取材レポート | ミュージアム(博物館・美術館)情報ならインターネットミュージアム
▼描き終わったら裏から簡単に消すことができます。
その後もすごい勢いで描いていました。面白かったのは、ヒエロニムス・ボスの絵《聖クリストフォロス》の模写。妖怪ウォッチに登場するキャラのような不思議な絵が続いたので興味が沸いたんでしょうか。書いたら消す書いたら消すをくりかえしているので、全然写真に収められませんでした。(写真を撮って良い場所も限られていましたし)
バベルの塔を模写する
一番長く滞在したのはここ。本物の「バベルの塔」ではなく、
「バベルの塔」の記念撮影コーナーです。
大きく印刷された「バベルの塔」が東京タワーと比較して展示されていました。大人の身長とバベルの塔が同じくらいの高さです。このスペースで記念写真も撮れます。これに娘が反応。
とびらボードに一気に描き上げました。
完成!
ほんとにこのとびらボードを借りて良かったと思いました。
娘の様子
他にもなんだかんだ言いながら、会場の絵からヒントを得た落書きをたくさんしていました。写真OKの場所にたどり着くまでに、娘が消してしまうので残せなかったのが残念です。
今回は、「ちょっと子どもには難しい展覧会かな。」と思いながら連れて行ったので、「つまんな~い」コール連発を予想していたのですが、思ったより静かに作品を見ていました。40分くらいは滞在していたと思います。やっぱりこの「とびらボード」のおかげでした。それに、ソフィアやエレナ、アナ雪のように、プリンセスアニメの影響はあったかもしれません。立派な額に入っている絵が、絨毯のある部屋に展示されているって、「ちょっとお城みたい」そんな風に感じているようにも思えました。
展覧会の感想
日曜日に行ったのですが、並ぶことなく入場できました。混雑しているとはいえ、譲りながら作品を見られる環境はまあ満足です。小ぶりの作品群と、「バベルの塔」コーナーがわけて展示されているのは嬉しかったです。壁一面にバベルの塔が印刷されている展示室は迫力がありましたし、複製画も圧巻でした。
娘なんか、本物より印刷物に惹かれていました。つまり、それだけ大きく拡大しても耐えられる素晴らしい作品であることには間違いありません。
ブリューゲルや16世紀絵画に興味がある方には楽しめるのではないかと思います。
それにしても、
やっぱり私一人で娘を連れていくとなるとじっくり見られません。先に夫が見ている間、私が娘を連れて子どものペースで鑑賞&休憩。夫が見終わったら交代して、私がじっくり見る番。その間娘と夫には上野公園内の遊具で遊んで待っててもらいました。
おわりに
ぜひ、この「とびらボード」いろいろな美術館で置いてもらえたらな~と思います。
それから、本物の作品ではなく、作品を拡大した印刷物だけの展覧会なんてあったらいいな~と思いました。印刷された大きな作品に触れても良いし、スケッチしてもいい、付箋をはったり、描きこんだり、作品と一緒に写真を撮ったり、名作をもっと身近に感じる自由な展覧会があっても面白そうだなと娘の様子を見て思いました。最近のプリント技術のすばらしさには感動せずにはいられません。記念撮影用に大きく引き伸ばしてある「バベルの塔」ですら娘は喜んでいました。本物ではできない、プリントだから楽しめる展覧会だって今の技術なら開催できるんじゃないかな~と思いました。
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「バベルの塔」展開催会場
■東京会場
[会 期]
2017年7月18日(火)~ 10月15日(日)
[会 場]
国立国際美術館
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-2-55
http://www.nmao.go.jp/
[開 館 時 間]
10:00 ~17:00、金曜日は19:00まで(入場は閉館の30分前まで)
[休 館 日]
月曜日 ※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館
*とびらボードは東京都美術館のサービスなので、こちらにはありません
関連過去記事
おまけ
今はいろいろ手が離せないので参加できませんが、これすごく気になります。今回、娘が借りた「とびらボード」も、このとびらプロジェクトの一環です。
アートを楽しむ方法をいろいろ考えてきましたが、こちらの活動は本当に参考になります。