好きだーーーーーー!!
と、大きな声をあげて叫びたい気分になる絵本に出会ってしまいました。
その作家さんのお名前が、ゼバスティアン・メッシェンモーザー
画風から、ずいぶん昔に発行された絵本かな?と思っていたのですが、彼は、1980年生まれ。ドイツのイラストレーターです。
Sebastian Meschenmoser – Wikipedia
鉛筆と少しの色鉛筆、絵具で描かれています。表紙を見ると華やかさに欠けるので、小さい子への食いつきは悪いかな?という印象でした。
私が初めて彼の絵本に出会ったのは、これです。
この本に登場するリスちゃんは雪を見たことがありません。雪が見たいから冬眠を我慢して睡魔と戦っています。そして、雪ってどんなものなんだろう??とまだ見ぬ自然現象を森の仲間とともに想像します。その様子が、ほんとにお馬鹿でかわいい。
子どもにとって絵本の絵ってとても重要ですよね。単純な絵と色で描かれたものの方に子どもはひかれていきます。我が家では、なるだけ写実的な絵の本をセレクトし、いろんな絵を受け入れられるよう努力してきたつもりですが、親が意識しない限り選びません。
現在6歳の娘ですが、彼の絵本は好きになり一人でも読むようになりました。今回は、このゼバスティアン・メッシェンモーザーの魅力をだらだら書いてみたいと思います。
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■動物の仕草がかわいい
何がかわいいって、リスの動きに躍動感が感じられるのです。
写実的なイラストって感情移入しにくいからこどもに敬遠されるのかな~とぼんやり考えていたことがありますが、この絵本に登場する動物たちは、デッサンのような絵なのに愛嬌があって親しみが感じられます。眠いのを一生懸命我慢するリスの描写なんて、まるで疲れ果てた娘を見ているようで愛おしく感じます。娘は、その眠くてたまらないリスの動きをお人形にやらせて遊んでいました。
■かっこいい構図と物語の表現力
彼の作品は、本当に構図がかっこいい。「ええ~このアングルで書いちゃうの??」という角度で描かれているので引き込まれます。卓越した画力があるからこそできることなんでしょうね。それに、なんというか、映画的な感じがします。例えば、普通の絵本だったら、「あ、雪だ」と言葉で表現するところを、素晴らしい雪の絵だけで読み手(娘)に「あっ雪だ」と言わせてしまう力があります。
文章を補う形の絵ではなくて、絵のおまけに文章があるという印象でした。絵で物語をぐいぐい引っ張っていく力を感じます。
■素朴な描画材料
絵の具、色鉛筆、鉛筆の使い分けが絶妙で、印象的なシーンがいつまでも頭に残ります。娘は自分が慣れ親しんでいる描画材料で描かれていることに驚いていました。雪が降る時の絵の具の使い方が大好きです。
■クスッと笑ってしまうストーリー
リスとはじめての雪では、雪って何か分からない動物たちが荒唐無稽な雪を想像して会話をしています。それが、お馬鹿でかわいい。娘には、笑いのツボだったらしくゲラゲラ笑っていました。彼の他の本でもユーモアは欠かせません。それが作品のアクセントになっています。
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そして、この本も大好き。
落ちてきたお月さまをどう扱ってよいやら、途方に暮れるリスさんと森の仲間たち。でも、このお月さまって本当は、、、、、、。
絵をよく見ないと、分かりません。見ればすぐにわかることなのですが、ぼーっと読み聞かせをしていたら、気づきませんでした。何回か読んだ後、「アッそういうことだったんだ~」とだまされた気分になりました。
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とはいっても、彼の本を「おススメです!!」と周りの友達に紹介できるかと言えば、できません。デッサン力が素晴らしく、ほんとにうまい絵なんですが、それを受け入れられるかどうかはお子さんの好みによって違います。娘は、私が洗脳したようなところがあるので奇跡的に好きになりましたが、大人向けと感じる方も多いと思います。好き嫌いがはっきり分かれる絵本だと思うので、積極的に薦めることはできませんが、誰か同じように感じてくれる人がいるかもしれないと思い、記事にしました。彼の絵本が好きだという方に出会えたら嬉しいです。
ついこの間までオムツをしていた娘が年長になるまで、あっという間でした。気が付けば児童書を読むようになっています。でも、まだ娘の知らない素晴らしい絵本がたくさんあるんだと思うと、背伸びしすぎないで今しか出会えない良い絵本をたくさん読んであげたいと思うきっかけになりました。
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