こどものあそび観察日記

こどもの充実した時間とはなんぞや!?

【デザインあ展inTOKYOレビュー】”観察のへや”で感じたこと~あそべるコーナーを中心に

デザインあ』とは、子どもたちのデザインマインドをはぐくむNHKの番組です。とはいっても、子どもに媚びることなくデザインの面白さやすばらしさを伝える番組です。2011年からスタートし、今年で7年目に突入です。奇しくも、娘が生まれた年にスタートした番組で、どっぷりつかって見てきました。とても思入れのある番組です。

そんなわけで、待ちに待ったデザインあ展。だらだらその感想などを連投しています。

www.design-ah-exhibition.jp

こちらの展覧会は、大きく次の三つに会場が分かれています。

A観察の部屋 B体感の部屋 C概念の部屋

前回は、娘が一番面白がっていた体感の部屋について書きました。

【デザインあ展inTOKYOレビュー】”体感の部屋”で感じたこと

今回は、”観察の部屋”について

7つのあそべる体験コーナー

”観察の部屋”というタイトル通り、作品をじっくり見て楽しむ内容が多いです。その中でも、”あそべる”体験コーナーが6つありました。子連れの展覧会で、体験できるコーナーがあるというのはとってもありがたい。

梅干しのきもち

巨大なお弁当の梅干しに自分がなれるという遊び心ある作品です。子ども用2段ベッドくらいの大きさで階段を上がってお弁当をのぞき込むような感じになります。写真がとれるようになっているのでついつい、我が子がお弁当から頭を出す様子に夢中になってしまいました。
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でも、本当はお弁当を作る自分こそが、中からのぞきたかったな。と家に帰ってから思いました。上からいつも眺めてばかりのお弁当の視点を変える面白さ。それこそが、”デザインあ”の醍醐味のハズなのに、それを自分が体験しなかったのは残念です。子連れだとついついすべてが良くも悪くも子供中心になってしまいます。ご家族で行かれたら、ぜひママに体験させてあげてください。

ただ、なぜか、この展示すごーく並びます。平日11時くらいで25分待ちでした。それほど待ってみたい作品か、子どもに体験させたい作品かというと、、、個人的にはうーーん。パスです。

制作:パーフェクトロン

技術協力:イワサキ・ビーアイ

器のモンタージュ

これは、小さい子にぜひ遊ばせてあげたい作品です。200ml 500ml 1000ml の容量をに合わせて容器をモンタージュして作って遊ぶ作品です。

▼右側に容量のかたまり。そして膨大な容器のパーツ。大人が説明することなく子どもが自然に手をのばしたくなります。
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▼私が作った1000mlのボトル。
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 ▼娘が作った1000mlのボトルと、200mlの入れ物。
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この器のモンタージュが面白いな~と思ったのが、液体の量を身近な器にあてはまるかたまりで表しているところ。ぜひ、量産して児童館や幼稚園・保育園などに置いてほしい。小学校でならう水を測る算数につながっていきます。

制作:plaplax

制作協力:Maker's Base

名は顔をあらわす

へのへのもへじ”のように、自分の名前で顔を作ります。ひらがながもつ特徴を生かして顔を作る作品です。面白いのが、顔のパーツが実際の顔と連動するので、自分の顔が動けば文字も動きます。画面の前で笑ったり、怒ったりすると、目や口も動いて自分の表情が自分の名前で作り出されます。

▼入力画面はこんな感じ
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▼私”わにこ(仮)”の顔はこんな感じ
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すごい気合入ってるな~と思ったのが、この装置、結構な台数が設置されていること。4台以上あった気がします。”デザインあ展”ほんとすごいです。

小さいお子さんは、ある程度の高さがないと顔を認識しないので、抱っこしてあげるなど工夫しないとだめです。うちの娘も小学生のくせに小さいので抱っこして一緒にやりました。

おススメなのは、この文字顔を写真や動画で撮ること。会場内は混んでて、自分の名前の文字で自分の顔が作られる雰囲気だとか、文字の表情などをじっくり感じることができません。心に余裕があればできるのかもしれませんが、子連れだと、ついついオリエンテーリング的な鑑賞になってしまいます。体験したことが事実で、感じることがおざなりになりがちです。特に、激混み展覧会は、、、。

 (参考)

以前ココノエという会社が作ったこれで遊んだことがありました。こちらも目・鼻・口を認識して遊ぶプログラムです。こういう技術はこれからもどんどん進化していくんですね。

9ye.jp

制作:大日本タイポ組合+奥田透也

ひらがなタイプデザイン:宇野由希子

デッサンあ

Eテレを見ながら”デッサンあ”ってどうやったら出られるの?と娘は言うのですが、答えに詰まる母です。テレビには出られませんでしたが、がっつり二人でデッサンしてきました。

ステッドラー全面協力です。やっぱり5Bくらいの鉛筆で描かせるのって子どもにはいいな~と思いました。
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▼描いた絵は、その場でスキャナー取り込みプロジェクターにうつされます。自分の描いた絵の番号を覚えておくと見つけやすいです。

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私たちが描いたのは、巨大なレバーのようなもの。意味不明だけれど迫力のあるギラギラ感満点のオブジェでした。こういう企画でもなければなかなか子どもに描かせることもないので娘にとってとてもいい経験でした。実際、すごーく集中して描いてくれてて嬉しい。

▼こちらでも自分の描いた作品を見ることができます。

dessin-ah.jp

▼描いた日付を入力すればご覧の通り。時間で検索して自分の作品を簡単に探せます。とっても見やすいです。モチーフで選んで、他の方々の作品を見ても楽しいです。

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制作:阿部洋介+藤森吉昭+稲福孝信

もんどころ

4つのもんの描き方を体験できます。動画をみながらコンパスを使って作り上げます。

▼確か、一気に10人程度体験できるようになっていると思います。作品によっては10分くらいかかるものもあるので席を譲り合わないとできません。
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 ▼この机や引き出しもいちいちオシャレです。
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▼体感の部屋でも見ることができますが、予習されたい方はこちらの”森羅万象”がおススメです。低音から始まる音楽にワクワクします。娘も私も大好きな曲。

www.youtube.com

コンパスの練習には最適ですが、、、、小1の娘には難しかった。無理やりやらせる宿題のような感じになり、親子でイライラしていました。これ、ダウンロードできるようにならないかな~。そして、作り方ビデオもweb上で見られるようにならないかな。。。。無理か。ちなみに、コンパスは3年生からなんですね。

制作:TSDO+NHKエデュケーショナル

紋制作:波戸場承龍

マークをつくる

デザインあ”のコーナーの一つである”シンプルマーク”が体験できるコーナーです。

ピクトグラムがどう作られているかが紹介されているコーナーで面白い。ご存知なければぜひこちらをどうぞ。

シンプルマーク - デザインあ | NHK

▼たくさんあるマークのパーツから好きなものを選んで、、、
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▼重ねる。でも何かちょっと違う。
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▼見たことのあるマークでもそれを完璧に再現するって、パズルみたいで面白かったです。
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制作:岡崎智弘

○回の動作

手をたたいた回数に応じた画像が現れます。”アン・ドゥ・トロワ”だと3つの動きだけにしばられますが、3回だけでなく、4回の動作であらわされるようなものも見ることができます。例えば、4拍子の音楽を指揮する人などなど、、、。

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制作:plaplax+赤川智洋+中西宣人

その他面白かった展示作品

だらだらと、あそべるコーナーについて書いてきましたが、それだけでかなりの量になってしまいました。最後に私が見て楽しかった作品を2つ紹介します。

全国名字かずくらべ

自分の名前がどれだけ勢力があるのか、見た目で分かるようになっています。自分の名字だけでなく、友達の○○さんはどれだけの大きさなのかついつい見たくなっちゃいます。

▼やっぱり佐藤さんは大きいですね。
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▼どの名字が多いかは、こちらでも分かりますが、ビジュアル的に表現することでこんなにワクワクするのかと思わずにはいられません。

myoji-yurai.net

制作:パーフェクトロン

目には「め」を歯には「は」を

このタイトルもいいですよね。文字通り、目にはめ。ランドセルには「らんどせる」

▼一見、学校の様子を写した写真に見えますが、、、
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▼よくよく見ると、、、文字でできている写真です。
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以前、現代アートの展覧会で似たような作品を見たことがあるのですが、思いだせない。。。なんて作家さんだったんだろう。ちゃんと美術館ノート作っておくべきでした。

遠くで見る面白さと、近くで見て気づく驚き。こういうギャップがある作品って大好きです。

以前先輩が、学校の印鑑 欠席・出席・などなどの印鑑をポンポン押しながら絵を描いていました。急に、それを思いだしました。ここまできれいに計算された作品ではありませんが、文字で描くって面白いですね。

Instagramでも、文字で描く作品が見つけられます。ぜひ見てみてください。新しいアートに触れるきっかけになるという意味でも、この展覧会面白いです。

制作:パーフェクトロン

おわりに

どうしよう。まだ書きたいことが止まらない。でも、かなりの量になったので一旦ここでおしまいにしたいと思います。

邪道かもしれませんが、私の場合は、まず、”あそべる”体験コーナーだけを全部制覇してから、最初に戻って展示作品を見る見方をしました。今回に限らず、子連れで展覧会に行く場合、可能なら会場全体を把握してから、見たいものに時間をかけて見るように時間調整します。そうしないと、子どもが疲れてしまうからです。

そういう意味でも、この展覧会はものすごーくボリュームがありました。

もう一回行きたい。

子連れでいろんな展覧会に行ってきましたが、”子どもが楽しめる”という意味ではかなり満足度の高い展覧会です。

その分混みますが、、、、。

デザインあ展”過去記事

【デザインあ展inTOKYO】夏休み平日の混雑状況

【デザインあ展inTOKYOレビュー】”体感の部屋”で感じたこと